今季も、大学選手権の決勝が無事終了し、その翌日には、リーグワンの各チームから新入団選手の発表が続々となされた。
これからリーグワンへステージを移す選手達がトップカテゴリーで活躍できることを陰ながら見守っていきたい所存。
そんな中で今回はでは近年の大学ラグビーの中心だった選手達、特にリーグワンへ活躍の場を移した選手達は今どのような状況なのかをお話ししていきたい。
大学ラグビーは見るけどリーグワンは見ないという方がもしいらっしゃれば昨年度活躍した選手達の現在地を確かめるために当コンテンツを利用していただければと思う。
先に前提をお伝えすると、今回の活躍、苦戦を分ける際にオーモリが最も重視したのがゲーム出場時間。
なぜなら選手としては試合に出場してナンボと考えているため。
また今回紹介する選手達はオーモリが昨年度印象に残った選手達の中から選ばさせていただいた。
この選手、リーグワンでも活躍できるかなあ、と気にかけていた選手とも言える。
ですので、もし皆様の推し選手が漏れている等ございましたら、教えていただければ幸い。
このコンテンツを見ている方々の助けにもなると思われる。

オーモリです。YouTube・X(旧Twitter)もやってます。
【大活躍】江良颯


最初に大活躍、帝京大学出身、S東京ベイ所属、江良颯選手。
知らない人はいないであろう、昨年優勝時の帝京大学の主将。昨今の大学生HOにおいてベストプレイヤーと言っても過言では無いだろう。支配的なスクラム、キャリー、タックルは非常に印象的だった。
それまで帝京の主将といえば卒業後は埼玉か東京SGが既定路線だった中でまさかと言っていいだろう、スピアーズへ入団。
これを聞いた時は正直驚いたと同時に非常に喜ばしいことだと感じた。
なぜならこのムーブで今後もリーグワンの各チームに大学トップクラスの選手の獲得が進行するのでは無いかと感じたからだ。
それでいうと今季は優勝した帝京の主将、青木選手がトヨタへ入団とイノベーションが起こっていると期待したい。
ただ、早稲田の佐藤選手が埼玉へ入団したのは目を瞑ろう。なぜなら今の埼玉以上に佐藤選手がフィットするであろうチームはなかったからだ。
今後、飼い殺し状態の有望な若手選手が量産されないことを祈るばかり。
話を戻すとそんな江良選手は今シーズンここまで全6試合で300分出場。
7節の横浜戦でも先発に名を連ねている。
全体のレベルが一気に上がるリーグワンにおいても大学時代強みとしていたプレーが存分に出ている。
特にスクラムは横のPRに紙森選手、為房選手、オペティさんが並んでいることももちろんあるだろうが劣勢に回るシーンはほぼない。
昨シーズンからアーリーエントリーでデビューはしたものの怪我に泣かされ今シーズンから改めて再スタート、その今シーズンで抜群の活躍。
今後も怪我だけは無いようにオーモリは祈り散らかしている。
怪我がなければJAPANへ選出されるのも時間の問題だろう。
【大活躍】為房慶次朗


次に大活躍、明治大学出身、S東京ベイ、為房慶次朗選手。
この選手も江良選手同様スクラム、キャリーが大学時代魅力的な選手だった。
為房選手は文句のつけようのない大活躍。
今シーズンはここまで全6試合で309分出場。
スクラム、キャリーも十分に通用していると言えるのでは無いだろうか。
昨シーズンアーリーエントリーでリーグワンデビューを飾り、そのままJAPANへ選出され10CAPを獲得。
今シーズンの開催時点ではリーグワンよりJAPANの CAPの方が多いという以上事態が発生していたのは記憶に新しい。
同じチームのスピアーズからTPのオペティさんもJAPANへ選出されJAPANのTPコンビとして今後も活躍していってほしい。
7節でももちろんスタメンに名を連ねている。
【苦戦】伊藤大祐


次に苦戦中、早稲田大学出身、神戸S、伊藤大祐選手。
高校時代、桐蔭学園を初の単独優勝へ導いた時の主将。
花園決勝の時のプレーは非凡だった。
大学は早稲田へ進学。
4年生時には高校同様主将を務める。
伊藤選手はアタックセンスが抜群だった印象。
空いたスペースは絶対に見逃さない視野の広さが窺えた。
今季はここまで出場はなし。
神戸のFHにはJAPANの李承信選手、ブリン・ガットランド選手らが在籍、FBにはこれまたJAPANの山中選手、松永選手らが在籍しているということでなかなかにタフなポジション争い。
今後、これらの選手達とのポジション争いに勝利し、リーグワンデビューを果たすことができるだろうか。
【活躍】廣瀬雄也


次に活躍、明治大学出身、S東京ベイ、廣瀬雄也選手。
昨年、選手権準優勝の明治大学の主将。
ご存知の通りその対戦相手の帝京の主将が先に挙げた江良選手。
まさかまさかの選手権決勝カードの両主将が埼玉でもなく、東京SGでもないチームへ入団、しかも2人ともスピアーズ。
当時のオーモリはびっくりおったまげた。
高校時代、東福岡でも主将を務めたキャプテンシーが非常に魅力的な選手。
と同時に、12番でありながらプレイメーカーとして機能することができる一面も魅力。
ラグビー理解度が非常に高い選手。
今季はここまで5試合に出場し342分出場。
スピアーズのセンターといえばJAPANの立川選手、リカス・プレトリアス選手、シオネ・テアウパ選手らが名を連ねる中で今季ここまではしっかりとそのポジションを確保。
攻守にいい場面でプレーに絡み、存在感を毎試合ごとに上げてきている印象。
ゲインメーターも110mで1試合平均20mはゲインを切りチームの得点機を演出。
ディフェンス面でも1試合平均タックル回数は10を超え、成功率も84%と決して悪くない。
今後もポジション争いから離脱することなくシーズンを完走してほしい。
7節も12番での出場が発表されている。
【やや苦戦気味】武藤ゆらぎ


次にやや苦戦気味、東海大学出身、横浜E、武藤ゆらぎ。
公式身長170cmと小柄ながらも大学時代からそのアタック選手は抜群。
大学時代は身長が少し小さいリッチー・モウンガ選手のようなプレイヤーだなと驚嘆したことが昨日のことのよう。
時の流れは残酷。
昨シーズン、アーリーエントリーで3試合に出場し、今シーズンは横浜の10番を背負う機会が爆増か、と思われていた中で今シーズンはここまで出場はなし。
昨シーズンはアーリーエントリーながら3試合は出場したところを見ると負傷の可能性もあるだろうか。
もちろんチーム内のポジション争いにおいて田村優選手という圧倒的な存在がいることも関係している可能性はある。
早稲田の服部選手はもちろんだが、この武藤選手も非常に将来有望な選手とオーモリは注目していたので今シーズン、これからゲームへ出場できる機会が増えることを祈るばかり。
服部選手についての記事は下記。


【やや活躍】山田響


次にやや活躍、慶應義塾大学出身、S東京ベイ、山田響選手。
昨年までの慶應義塾のエースバックス。
高校時代からそのランとキックに花園を沸かせていた選手。
大学在籍時はSH、FH、FBとBKのセンターラインを全て経験した上で、どのポジションもそつなくこなしていたところを見るとその能力はやはり非凡。
今シーズンはここまで2試合で55分出場。
一時は負傷により戦線から離脱するも、その負傷が癒え、7節には2節依頼、23番でメンバーに復帰。
今季はここまで出場した試合及び、7節いずれもリザーブからの登場。
プレー面で言うと、強豪スピアーズの中で全く見劣りしないパフォーマンスを見せてくれている。
強力なFWのイメージがあるスピアーズだが、近年の補強でBKのデプスも相当上がった。
その中でポジションを獲得していくのは非常にタフだとは思われる。
さらに言うと先日スピアーズはショーン・スティーブンソン選手をNZLのチーフスから獲得。
さらにスピアーズのBKは厚みが増した、と同時に山田選手にとっても強力なライバルが入団したことになる。
リザーブからの登場でアピールタイムが制限されている中でいかに自分の強みを出せるかが今後山田選手が生き残っていく上で非常に大きなファクターとなるだろう。
しかし、こう見ると先にあげた江良選手、為房選手、廣瀬選手、そしてこの山田選手が入団した昨シーズンのスピアーズのリクルートは近年稀に見る爆当たりの年だったと言えるだろう。
獲得した選手も凄いし、その選手達がいきなり試合に出場しているところを見ると昨シーズン入団選手達のポテンシャルの高さには脱帽。
【活躍】三木皓正


次に活躍中、京都産業大学出身、トヨタV、三木皓正選手。
京産大を3年連続関西リーグ優勝、選手権準決勝進出へ導いた際の主将。
その魅力はなんといってもタックル。
これまでSGの山本選手が中心となっていたGS賞を脅かす存在となるだろう。
リッチー・モウンガ選手のラン、パス、服部選手のキック、等と同様にお金を払ってみる価値が三木選手のタックルにはある。
また、力強くゲインするボールキャリーも見逃せないポイント。
インターナショナル、リーグワンではBLは高身長の選手の起用が進み、市民権を得づらくなっている国産小兵FLの星的な存在だろう。
三木選手の身長は公式で174cmとなっている。
先に名前が出たSGの山本選手、今回の三木選手らが試合時間を確保することで国産小兵FLにリーグワンでも十分戦えるという希望を与えてほしい。
おそらく簡単な道のりではないだろう。
スプリングボクスのクワッガ・スミス選手があの身長でも試合に出場できているようにスペシャルな何かが求められることは間違いない。
ただ、三木選手のタックルはそんなスペシャルな何かに該当するとオーモリは見ている。
そんな三木選手は今シーズンここまで全6試合で245分出場。
【苦戦】高本とむ


次にここまで苦戦中、帝京大学出身、BR東京の高本とむ選手。
帝京2度目の3連覇時の決定力抜群のフィニッシャー。
その抜群の決定力で大学時代はトライを量産。
当時BRのWTBは固定されたメンバー、言い換えるのであれば信頼をおかれているWTB(具体的にはアマナキ・ロトアヘア大洋選手、ネタニ・ヴァカヤリア選手などが挙げられるだろうか)が鎮座している中に高本選手が飛び込んでも試合には出場してくるだろうとオーモリは見ていた。
しかし、現状はその牙城を崩すまでには至っておらず、今シーズンはここまで出場機会はなし。
ただ、セブンスの合宿に招集されていた経緯があるため、まだリーグワンの活動にはフルコミットできていない可能性もあるだろうか。
高本選手であれば出場さえすれば十分に通用するものは持っていると思われるので、なんとか試合へ出場する機会を得てほしいと思う。
【大活躍】伊藤耕太郎


そして最後に、大活躍、明治大学出身、先に挙げた高本選手と同じBR東京、伊藤耕太郎選手。
大学時代、2年生から明治の10番を背負続けた選手。
伊藤選手の魅力はなんといってもLB能力の高さ。
大学時代、明治と対戦したチーム側としては、いつ伊藤選手がランを仕掛けLBをお見舞いしてくるか気が気ではなかっただろう。
そんな伊藤選手はテストマッチデビューこそならなかったが、昨シーズンのJAPANのスコッドにも招集。
それまでトップカテゴリーでの試合経験はなかったところを見るといかにエディーさんが伊藤選手に惚れ込んでいるかが窺えるだろうか。
またリーグワンではFHからFBへコンバート。
今季はここまで全6試合で319分出場。
アイザック・ルーカス選手という強力なライバルがいる中でこれだけのゲームタイムを確保できているのは伊藤選手の非凡さを伺わさせる。
強みであるLBはまだ1度だけとこれからリーグワンのレベルにアジャストしていこうと言うところだろう。
また、主にFBでの出場ということで大学時代のようにFWとのミスマッチをつく、ということがポジション的に難しいことも関係しているだろう。
リーグワンのレベルに完全アジャストした伊藤選手がいつ大爆発するのか今から非常に楽しみでならない。
そうなれば昨シーズンこそJAPANとして出場機会はなかったが、次のJAPAN活動期間でテストマッチデビューが実現する可能性は非常に高いと見ている。
あとはFBとしてハイボールの処理がどれくらいなのかをエディーさんにアピールすればミッションコンプリートとなるだろう。
オーモリの注目選手は概ね活躍中
以上が昨シーズンの大学選手権終了時点で注目していた選手達の現在。
概ね注目させていただいた選手達が活躍できていて嬉しい気持ち。
特にスピアーズに入団した選手の多くが試合へ出場しており、繰り返しになるが昨年のスピアーズはリクルート面で勝ち組となれたのではないだろうか。
いい補強が施せたと言えるだろう。
伊藤大祐選手、武藤選手、高本選手もぜひ試合で見たいところではある。
ただ、まだシーズンは半分以上残っており、いつチームにアクシデントが発生し、登場機会が訪れるかは未知数であり、今、苦戦している選手達にも今後もチャンスは幾度となく訪れるだろう。
現在出場機会に恵まれている選手達の活躍を楽しみつつ、苦戦中の選手達の初登場を首を長くして待ちたいと思う。
皆様の注目選手、推しの選手は誰でしょうか。
ルーキーでなくてもいいのでぜひ教えてください。
https://www.meijirugby.jp/news/detail651
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