ついにこの時がやってきた。
木田晴斗選手が帰ってきた。
2/27、S船橋東京ベイは3/1に行われるBL東京戦のゲームメンバーを発表した。
おおよそ今季の活躍を見る限り、予想通りのメンバーとなった中で、23番で木田選手が登録され、途中出場を果たした。
その試合で1トライを挙げるなど、活躍を見せリーグワン復帰を果たした。
木田選手がゲームメンバーに登録されたのは今季の6節以来4週間ぶり。
ちなみに、木田選手の23番での出場は、加入年の2022/4/17、13節の東葛戦以来、1,049日ぶり、149週間と6日ぶり、スピアーズの試合数で言うと47試合ぶりとなる。
ということで今回はそんな木田選手をピックアップ。
木田選手ってどんな選手でどこが強みなのか、どんな選手なのかをご紹介していきたい。
今回の動画を言い換えるのであれば、オーモリは木田選手が好きだからJAPANへ呼ばれてほしいということ。
先にオーモリが考えている木田選手の唯一最大の特徴が
足が速く、抜群のボディバランスで強気
となる。

オーモリです。YouTube・X(旧Twitter)もやってます。
経歴
改めて、公式176cm、90kg、兵庫県川西市出身、リーグワン3年目、4月で26歳となる木田選手、高校時代までは注目選手と騒がれていたわけではなく、いわゆる、無名選手だった。
少年時代
幼稚園の頃から空手をやっており、小学生の頃極真空手の世界ジュニア選手権で優勝の経験がある。
後に木田選手はこの空手の経験が自身の強みとなっているボディバランスの礎となったとインタビューで答えている場面もあった。
ちなみにこの大会の1学年上ではキックボクサーの那須川天心さんが王者に輝いていたそう。
そんな木田選手がラグビーを始めたのは小学5年生。
当時の友達から誘われ、兵庫県宝塚RSで楕円球と出会う。
関西大倉中学時代


そして中学入学からの木田選手の経歴は壮大そのもの。
中学受験で大阪、中学受験偏差値で言うと44〜50、倍率1.81倍の関西大倉中学へ進学。
ちなみに高校は偏差値62〜73となっている。
中高一貫校で高校にはラグビー部があった為、中学ではラグビーに専念したいと思っていた木田選手は当然ラグビー部への入部を希望する。
しかし、関西大倉の中学にはラグビー部はなかった。
ラグビー部がなければ学校でラグビーができない。
だったら作ってしまえばいいじゃない!ということで当時の木田選手は高校のラグビー部の監督、土井川先生へ中学校でもラグビー部を作ってほしいと直訴しこれが実現。
1、2年生時は人数が足らず試合はできなかったが、3年生時には部員が20名ほど集まり、大阪府の大会で1回戦で勝利。
当然木田選手は主将を務め、この時、大阪の地にラグビー版茂野吾郎が誕生した。
関西大倉高校時代
その後、内部進学で高校へ進学し、当然ラグビー部へ入部。
しかし、同校では学校内においてアメフト部が有名だったということもあり、部員数は多くなく、いわゆる、強豪校ではなかった。
実績としては花園予選で第3地区の1つでグループリーグを勝ち上がり、ベスト8進出が最高成績。
また木田選手本人も3年生時は故障で思うようにプレーできず、繰り返しになるが高校時代までは決して有名な選手ではなかった。
立命館大学時代


その後、大学でもラグビーを続けると決めていた木田選手は、何度か練習へ参加させてもらっていたという関西Aリーグの立命館大学へスポーツ推薦で進学。
ただ、他のスポーツ推薦で入学した学生が多いスポーツ健康学部ではなく、情報理工学部に所属。
この経緯については高校時代の監督、土井川先生から理系を学んできたのだからそれを無駄にしないようにと言われ、それを受け入れたから、とのこと。
この学業と部活の両立に木田選手は苦労したそう。
同級生の中で情報理工学部は木田選手1人、と同時に寮がない立命館大学では木田選手は一人暮らし。
仮にも関西大学リーグAに所属する立命館大学のラグビー部。
だが、情報理工学部はそんなことには配慮しない。
空きコマ等は課題にあてなければ部活の全体練習が始まる午後6時に間に合わないほどだったそう。
そんな厳しい環境下でも朝練のウエイトトレーニング、午後練習後のスキルトレーニングを重ねた木田選手は1回生からAチームで出場し活躍を見せる。
ちなみに当時のベンチプレスは140kg、スクワットは200kg、50mを6秒2で走る。
そんな地道なトレーニングが身を結び、ついに木田選手は世代代表に選出。
当時、ジュニア・ジャパンとU20代表に選出され、世代を代表するBKへと成長を遂げる。
最終学年の4回生ではチームの主将へ任命されその年、関西Aリーグでは3勝4敗、5位となった。
ちなみに当時の憧れの選手はオールブラックスのセヴ・リース選手とのこと。
大学生では主にWTB、CTBでもプレーした。
S東京ベイ
大学卒業後はリーグワンのDiv1スピアーズへ入団。


2022年の春に入学した木田選手は入団直後の練習試合のパフォーマンスが評価され同じ年の4/17、13節の東葛戦に23番で出場し早くもリーグワンデビューしトライも挙げる。
当時はアーリーエントリーがなかった為、ほぼ最速でのリーグワンデビューとなった。
この年はその13節を含め、残りのレギュラーシーズンとプレーオフ初戦の計5試合に出場。
14節以降は全て11番で先発し254分出場。
そして翌年2023年で大ブレイク。
初戦に11番で出場するとその年はレギュラーシーズン14試合、プレーオフ2試合、合計16試合で全試合11番で先発し1234分出場、内フル出場が12試合とフル回転。
16トライはリーグ2位。
ベストラインブレイカー、ベスト15にも選出。
新人賞は埼玉の長田選手と争った結果、惜しくも受賞ならず。
しかしそれを差し引いてもあまりある大活躍。
6月に発表されたW杯に向けたJAPANのスコッドにも名を連ね、昨年度の衝撃的なリーグワンデビューから今季の大ブレイク、一気に初キャップ獲得、W杯でも世界を驚かすか!
と思われたが、ここから故障に苦しむ。
まずリーグワン決勝で足を痛めており、代表合宿ではリハビリに励んでいたがそこへ追い打ちをかけるようにウイルスに感染してしまい、代表合宿から離脱。
所属クラブのスピアーズへ合流し、同年の8/15に発表されたW杯メンバーに入ることはなかった。
再スタートを切るべく臨んだ翌シーズンは初戦から9節まで全試合11番で先発。
しかしその9節で手首を痛め残りのシーズンは全休。
当然JAPANへの招集はなかった。
そして今季、プレシーズンマッチの神戸戦で途中出場で8ヶ月ぶりに実戦復帰を果たすと、その試合で2トライ。


本人は、昨年度の負傷からようやく本調子に戻ってきたと語り、シーズン初戦では2024/3/9以来の11番で先発出場。
そこから6節までで5試合に11番で先発且つフル出場で400分出場。
本人も語っていたし、今季こそ木田晴斗、完全復活か、と思われたが、その6節以降7、8、9節では後に明かされたが負傷で欠場。
本人曰くのベストコンディションだという今季も故障に泣かされるのかとなっていた中で10節でようやく復帰。
この流れを見て木田選手の復帰に涙しないことがあるだろうか、いや、ない。
そんな木田選手は10節終了段階で5トライ、ゲインメーター335、ラインブレイク7、ディフェンス突破23、被ターンオーバー6、タックル成功率89.2%と安定した活躍を見せている。
と、木田選手の現在までの経歴を振り返るとこのような感じになるだろうか。
唯一最大、最強の特徴


じゃあ、木田選手はどんな選手なのか、どこが優れた選手なのかというのをここからオーモリ視点でお話ししたい。
それが改めて次のとおり。
足が速く、抜群のボディバランスで強気
まず繰り返しになるが、木田選手は50mを6秒2で走る。
その上で本人も語っていたとおり、空手の経験が活き、強靭な体幹で類稀なるボディバランスの持ち主。
そして極め付けにパワーもある。
これらの掛け算によってディフェンス側から木田選手のランを見てみると、大前提スピードがあって止めづらい、追いついてタックルできても倒れないし、ハンドオフで一蹴されるという最も止めづらいランの持ち主であるということがわかる。
この木田選手のストロングポイントが最も出ていたと思うポイントが2023年のトヨタ戦15分のトライとその年の決勝戦の前半12分。
まず前者はサイドライン際15mで木田選手がボールを受け取りトライラインまでは約22m。
味方のサポートは薄い。
高橋汰池選手がゴール前10mでタックルに入りサイドラインへ押し出そうと試みるも、木田選手はヘッドスライディングのようにトライゾーンまで体を運んでトライを決めた。
また後者は惜しくもトライには至らなかったが、前者と同じようにサイドライン際15mでボールを受け取りトライラインまでは約18m。
味方のサポートは薄い。
目の前にはカバーディフェンスの松田選手とマリカ・コロインベテ選手。
この場面、普通の選手であれば内側へステップを切り、ポイント作る、もしくは外側のサポートを待つところだろうか。
しかし木田選手は外側で松田選手を振り切り、あわやトライか、と思わせるほどのシチュエーションを演出。
いずれの2つの場面も足が速く、抜群のボディバランスで強気な木田選手だからこそ生まれた場面だった。
プラスαでキックキャッチ能力も非常に高く、ディフェンスにおいてFWの選手相手でも当たり負けない体の強さがある。
さらに左利きということでこれ以上JAPANの11番に適した選手はいない。
インターナショナルでの対戦をマジで見たい


だから木田選手がもし健康ならばJAPANの11番に入らなければおかしい。
木田選手を本当にテストマッチで見てみたい。
現状先に挙げたような特徴のウィングは現状JAPAN資格保有者にはいないから。
まずここからの残りのシーズンを健康で過ごすことが非常に重要になってくる。
どうかラグビーの神様が見ているのであれば木田選手の健康を守ってほしい。
という神頼みで今回の動画は締めさせていただく。
皆様が木田選手に少しでも興味を持ち、好きになってくれれば当コンテンツの役目は果たせただろう。
参考
https://www.shinkyokushinkai.co.jp
https://twitter.com/trsbk?s=21
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