以前近年の明治におけるベスト15というコンテンツを投稿させていただいた。
見てくださった方、その上で高評価、コメント等してくださった皆様、いつもありがとうございます。
そんないただいたコメントの中で山沢選手、そして石田選手も入れてほしかったというコメントが比較的多く寄せられた。
正直オーモリとしても多くの有名選手が揃う明治だっただけに、これらの選手を外すのはタフな決断であり、メンバー選考の決断を下すHCもこんな気持ちなのかと思うなどした。
であるならば、その動画では紹介しきれなかった選手たちを個別で紹介すれば良いじゃない!
これが前回の山沢選手、そして今回の石田選手の紹介動画を作成するに至った経緯。
ということで今回は石田選手をピックアップ。
その経歴と石田選手をオーモリはどう見ているのかをお話ししていきたい。
タイトルにあるどこが唯一無二なのかという部分の結論として最初に挙げるのであれば
アジリティ(俊敏性)とステップの切り幅
とオーモリは考えている。

オーモリです。YouTube・X(旧Twitter)もやってます。
経歴
改めて、兵庫県尼崎市出身、尼崎RSから常翔学園高校、明治大学卒、リーグワン3年目、4月で25歳となる石田選手。
公式167cm、74kgといわゆる小柄な体型ながら現在リーグ5位のイーグルス、そして記憶に新しい2021年東京、2023年パリオリンピックに出場したオリンピアンでもある。
幼少期
そんな石田選手は5歳の頃、友人に誘われ、兵庫県尼崎RSで楕円球と出会う。
中学時代
公立の武庫東中学校へ進学した石田選手は中学時代、ラグビーと並行してサッカーもプレーしており、フォワードやゴールキーパーを務めるというまさにマルチな活躍で市の大会で準優勝に輝いている。
ラグビーでは現トヨタのこちらもセブンスの経験がある谷中樹平選手と選抜チームで共にプレーし、チームの中ではWキッペイとして知られており、お互いにキッペイと呼び合う仲。
常翔学園高校時代
高校は大阪の強豪、常翔学園高校へ進学。
1、3年生時に花園へ出場し、3年生時にはベスト8に進出。
高校時代は主に7、8番で試合に出場。
この高校時代FWだったということが後にも触れるが強みの一つである体の強さの源となっているとオーモリは見ている。
そしてオーモリが石田吉平という選手の存在を認知し、と同時に衝撃を受けたのが彼が1年生で出場した2回戦の石見智翠館戦。
両者得点を取り合い46-33と両軍合わせて12トライが生まれた乱打戦となったこの試合、常翔学園が上げた5トライの内、石田選手は4トライを上げる大活躍。
ちなみに石見智翠館はこの試合で7トライを上げており、内3トライは8MANの齋藤選手が上げたもの。
つまりお互い合わせて12トライの内、過半数の7トライはお互いの8MANが上げたものだった。
もちろん、石田選手だけの力で取ったトライではないことは間違いないが、少なくともトライを取るという能力がものすごい選手だということは石田選手に対して抱いた印象。
またそのプレースタイルも今までに見たことがないようなものだった。
今となっては石田選手の代名詞となっている切れ味抜群のステップ。
それをBKではなくFWの選手が披露したことが当時最も驚いたことだった。
スクラムから8MANがボールを持ち出す、いわゆるエイタンでチェイスにきた相手のFLを一瞬で置き去りにするその切れ味にオーモリは驚嘆させられた。
BKの選手であれば相手とのスペースがFWと比べると比較的あるため、ステップを切る余裕があるが、ディフェンスとの距離が極めて近いFWにけるそのプレースタイルは非常に印象的だった。
この試合は惜しくも敗戦となるが2年後に石田選手は花園に帰ってくる。
その大会では正月越えを達成し、ベスト8で千葉県代表流経大柏に19-14の大接戦の末敗戦。
しかし、この大会でもオーモリが惚れ込んだ切れ味抜群のステップは健在であり、将来が非常に楽しみな選手がまた出てきたと当時思った。
ちなみに石田選手は花園通算4試合で6トライを上げた。
明治大学時代
高校卒業後は関東大学対抗戦の明治大学へ進学。
明治では主にLWTB、FBのバックスリーでプレー。
高校時代のFWが異常だっただけでようやく収まるところに収まった感が大学時代を振り返るとある。


秋以降の公式戦に絞ると、1年生では出番は少なく、対抗戦の成蹊大学戦のみ後半頭から出場した1試合のみに留まる。
その年の明治のバックスリーには山村、山﨑、雲山選手らが名を連ねていたこともあったし、さすがの石田選手でもFWからBKへ転向した初年度ということもあり、ゲームタイムを確保するまでには至らなかった。
しかし、2年生からは一気にゲームタイムが増える。
それまでチームを支えてきた山村、山﨑両WTBの選手が揃って卒業。
その穴を埋める役目として石田選手は2年生で8試合、内全試合先発で605分出場。
この年の帝京戦、早稲田戦でのキックカウンターランのラインブレイクは衝撃だったことを今でも鮮明に覚えている。
そしてこの衝撃ブレイクの2年生と3年生のシーズンの間の夏に開催された東京オリンピックへ当時、怪我を乗り越え、チームでは唯一の大学生として選出された。
3年生はさらにゲームタイムを伸ばし、対抗戦、選手権で合計11試合に出場、内8試合に先発し679分間出場。
そして最終学年である4年生、石田選手はチームの主将へ任命され、第99代明治大学ラグビー部主将となる。
明治で主にウィングを務める選手が主将となったのは、1990年の吉田さんくらいだっただろうか。
ラグビーを始めてから初めて務める主将というポジションに、やや戸惑いはあったとは思われるが、本人は自身が1年生の時の主将だった武井選手のような安心感のあるような主将になりたいと語っていた。
そんな主将を務めた最終学年である4年生時、石田選手は対抗戦、選手権で6試合、内先発で5試合、424分出場。
最終的な結果は選手権のベスト8。
対抗戦では勝利していた早稲田大学に21-27の大接戦の末敗戦。
この試合の最終場面で6点差を追う明治は試合の最終盤で早稲田トライラインまで18mまで石田主将がボールを進めたところを石田選手のステップワークを読んでいたという早稲田の相良主将がスティールするという、見応え満点な展開だった。
その試合の感想動画は下記。
横浜Eへ入団
大学卒業後はリーグワンの横浜Eへ入団。
入団年の2023、2024年はパリオリンピックのセブンスへ専念するために15人制のリーグワンは全休。
パリオリンピックではチームの主将を務め、2期連続でオリンピアンとなった。


そして15人制へ復帰を果たした石田選手。
実質横浜入団1年目で横浜デビューを果たすと、今季は10節終了時点のここまでで9試合、内、全試合先発で合計655分出場、7トライはリーグ7位、ボールキャリー48、ゲインメーター301、ラインブレイク9、ディフェンス突破18、被TO8としている。
石田選手はここが特別
じゃあ、石田選手のどこが特別な部分なのかをオーモリ視点でお話しさせていただきたい。
石田選手の最大の特徴、ストロングポイントが改めて次のとおりで
アジリティ(俊敏性)とステップの切り幅
となる。
唯一無二、最大の特徴
まずアジリティについて、根本的に石田選手は足が速い。
ただ足が速い選手はリーグワンに山のようにいるだろう
しかし石田選手の場合、そこに切り幅がトップのステップワークが掛け合わさることで唯一無二の選手となる。
ここでいう切り幅というのはステップを切った際に方向を帰ることができる可動域のことを指す。


その上で石田選手は最大の切り幅を誇るステップを使ったとしてもスピードが全く落ちない。
この掛け算によってクリエイトしたラン能力でディフェンス突破、ラインブレイクを能動的に引き起こすことができる。
これがオーモリ的に石田選手が特別で唯一無二だと思う最大の理由。
付加価値
そこに高校時代のFWの経験から当たり負けしないフィジカル、スティール能力の高さも併せ持つ。
大学時代のWTB、FBでのスティールを見るたびに、これってエッジ付近とディフェンスラインの裏に足の速いデイヴィッド・ポーコック選手やラクラン・ボシャー選手がいるのと同義だよねと思うなどしていた。
リーグワンのレベルでも先に挙げたとおり被TO8とディフェンス面でも貢献していると言える。
そんな石田選手の現在の推し選手はサンゴリアスのチェスこと、チェスリン・コルビ選手とのこと。
JAPAN入りはあるか?
では石田選手は15人制のJAPANには選ばれるのか。
結論、現状は厳しいかもしれないが、望みはある。
オーモリ的には選ばれてほしい、インターナショナル相手にワクワクさせてくれるランを見せてほしい。
となる。
これはしょうがないことなのだが、大前提、石田選手は身長という点でやや出遅れている。
しかし、世界には先に挙げた石田選手が推しているコルビ選手のように小さくても活躍しているWTBの選手は存在する。
そんな選手達はWTBとしてのスピードにプラスαの付加価値があるから代表へ選出されている。
コルビ選手でいうのであれば、当たり負けないフィジカル、ハイパントキックの競り合いの強さ、キック制度の高さ、これらが挙げられるだろうか。
一方の石田選手はWTBとしてのアジリティ、はクリア。
フィジカルも概ね一旦クリアしているとする。
あとはハイパント、キック、このどちらかの制度を高めれば今のJAPANに呼ばれることは十分にあり得るのではないだろうか。
ということで今後はその点に注目してみていきたいと思う。
セブンスでJAPANを支えたキャプテンがユニオンでも日本を代表する選手となり、レメキ、徳永選手依頼のオリンピアンW杯戦士となるのか、注目。
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