1/24、JAPAN TALENT SQUADプログラム2025(以下U-23)の概要が発表された。
それと同時にFW27名、BK23名の未来のJAPAN候補も発表された。
今回はこれを受けてこの活動が日本ラグビーに与える影響を考察していきたい。
最後には気が早すぎるスタメン予想(オーモリが見たい選手)もお話ししていきたい。
この活動についてオーモリがどんな意見なのかが伝われば幸い。
また、皆様の意見もコメントで聞かせてほしい。
今回候補に入らなかった選手でもこの選手は良い選手!、今回の合宿は楽しみ!等のコメントが集まれば集まるほど当コンテンツが盛り上がり何かの間違いで首脳陣の元へ届く可能性もあるので。
オーモリ的に日隈選手の落選はさまざまな事情があるにしても寂しい。
先に今回の結論をお伝えすると
JAPANの強化に対してこれ以上ない試みだろう。
オーモリ的に非常に楽しみでしかない。
となる。

オーモリです。YouTube・X(旧Twitter)もやってます。
結論の理由
ではなぜ、オーモリは先のように結論づけたのか。
それはユース世代の強化はずっとJAPANの課題であった中で、やや変則ではあるがそこにテコ入れが入ったから。
となる。
なぜユース世代の強化があると良いのかも含めてここからお話しさせていただく。
U-23の概要
ではまず、今回のU-23代表候補合宿の概要について見ていく。
目的
今回の活動において日本ラグビー協会からは、
日本代表として世界の舞台で活躍するワールドクラスの選手育成を目指す。
とある。
またそのプロセスとして
- 日本代表スタッフのS&C(ストレングス&コンディショニング)及び栄養面における年間を通したサポートを行う。
- 定期的にラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHC等によるスキルセッションと各専門スタッフによるS&C、メディカル・栄養面での指導とアドバイスをする。
と公式では謳われている。
活動期間
次に活動期間について、2/5〜3/23まで計6回、1セッション2〜6日、に分け合宿・トレーニングを行う。
3/29〜4/1にU-23JAPANとして遠征前合宿を行い、4/1〜16までオーストラリア遠征、地元クラブ(ランドウィック)などハイレベルな対戦相手と計3試合を行う予定となっている。
ちなみに、今挙げたランドウィックはエディーさんが1994年にアシスタントコーチに就任し、指導者として初めて所属したチームとのこと。
そんなエディーさんは2/12から合流予定。
それまではコーチングコーディネーターの麻田一平さんが中心となり指導にあたる。
メンバー
そして気になる最初に発表されたU-23JAPAN候補のメンバーは50人。
メンバー表は下記↓
所属ベースで多い順に明治12人、早稲田8人、帝京、筑波、京産大4人、関西学院、慶應義塾3人、東洋、天理、近代2人、法政、東海、立命館、福岡工大、朝鮮大、長崎南山1人となっている。
協会のHPによるとこの50人の中から各合宿につき35名前後が参加するとのこと。
つまり毎回の合宿で今回の50人の候補全員が参加するのではなく、ここから35人前後を合宿の度に招集すると予想できる。
まだ未定ではあるが50人全員が揃っての合宿は行わないかもしれない。
また今回の対象選手は今季の大学4年生、高校JAPAN最終候補からの選出はなし。
ここは、4年生はリーグワンのチームへ、高校JAPAN候補は現在同時進行で活動中だからと思われる。
以上が今回のU23のざっくりとした概要。
強豪校は軒並みユース世代の強化に成功。のちに本代表の強化も成功。
少々前提が長くなったが、本題に話を戻すとなぜユース世代の強化がJAPANにいい影響があると思われるのか。
それは現在の世界のトップティアの国は軒並みユース世代の強化を行ってきた国だから。
具体的にはフランス、アイルランド、南アフリカ、そしてアルゼンチン等が挙げられるだろうか。
またNZLはずっと世界のラグビーを近年引っ張ってきているがそのU20は毎年ずっと世界大会で上位に食い込んでいる。
そんなU20で活躍した選手はその年齢の時からトップクラブと契約を結び、トップティアでデビューしナショナルチームでも活躍できるという流れ。
フランスで言うとヌタマック、ジャリベール、アルドリッド選手、そして皇帝、デュポン選手がまさにこの流れを汲み、同時にフランス代表は世界ランク1位にまで上りつめた。
その流れにアイルランド、南アフリカ、アルゼンチンも乗っかった結果これらの国々は現在世界のトップを走り続けていると言えるだろう。
これらを踏まえると、今後世界のトップティアと互角に渡り合うためには、ナショナルチームに入る以前の段階であるユース世代で、ある程度トップティアで通用する土台を作り上げる必要があることは火を見るより明らか。
過去にU20の強化について話した動画は下記。
JAPANはこれらの国とは事情が異なる
ただ、先に挙げた強豪国でユース世代からの育成という運用ができるのは各クラブの資金力が豊富であり、トップクラブと契約すれば生活の問題は解決されるという点が日本とは大きく異なる部分だろう。
日本の場合、U20世代の選手達はほぼ大学生であり、お金をもらってラグビーをしているわけではない。
リーグワンが発足したとはいえ、まだラグビー一本柱で家計を成立させるのは厳しい、高卒でそこまでのリスクは取れないというバイアスがかかっているだろう。
今の日本ではU20の強化は頭打ち
またU20は毎年 JAPANでも結成はしているがそこへ選ばれる選手達は国内の学生レベルしか体験できておらず、その活動を終えるとまた大学レベルに戻る。
世界レベルの体験が一過性のもので終わってしまい代表の強化には全くつながらない。
過去にオーモリがU20について話した動画は下記
【待望】U-20とは異なる形でユース世代のテコ入れが入った
そんな中、今回諸強豪国とは異なる形ではあれど遂に JAPANでもユース世代の育成が本格指導となる。
これまでも第2期エディーさん体制になってからこの世代を育成するためのミニ合宿はちょくちょく行われていた。
ただ今回のプロジェクトはこれまでのそれとは力の入り用が全然異なることを見ると一過性のものでは終わらない気がする。
今回は力の入り用が違う
そう思える要因としてHCがエディーさん、海外遠征あり、の2点がある。
HCがエディーさん
まず1点目にナショナルチームのトップであるエディーさんが今回指導にあたるということ。
これまでのU20ではロブ・ペニーさん等世界のトップクラブでの経験があるようなコーチがつくことはあった。
ただ本代表との繋がりという点で言うとややそこが薄いのではないかとオーモリ的には感じていた。
代表とU20の強化は別枠で考えられている感が否めなかった。
しかし今回は代表のHCであるエディーさんが今回のプロジェクトもHCを担う。
このことで一気に今回のプロジェクトは本代表の強化が土台にあると言うことが伺える。
海外遠征あり
2点目に今回のプロジェクトは海外遠征及び現地チームとの対戦が組まれている点も大きいと考えている。
昨年までは国内で合宿を行うだけでそれをアウトプットする機会がなかった。
そこが今回は異なる。
世界のトップレベルとは言えないかもしれないが今回の合宿で得たことをアウトプットできる機会が設けられた。
これまでのユース世代はU20でインターナショナルでの対戦機会が終了すると次にトップレベルを体験するのはリーグワンだった。
おおよそ大学2年生が参加していることを考えるとそのブランクは約2年半。
この期間は非常にもったいなかった。
せっかく世界レベルを経験しても2年半も経てばその経験はだいぶと薄まるだろう。
高校 JAPANから見てもU20までは2年ある。
圧倒的にインターナショナルの体験が少なかったJAPANのユース世代において1つその経験が積める機会が与えられる。
懸念点
では今回の活動において懸念点はないのだろうか、もちろんある。
それが個人的には下記2点
- あくまで基本は大学生
- 各大学の弱体化
となるだろうか。
ただ個人的にはこれらについては特に懸念する必要はないのではないかとも思う。
あくまで基本は大学生
まず今回合宿に参加する選手は基本的に大学生。
学生は学業優先、その上でラグビーがあると言う意見もあるだろう。
これに関しては確かにそうかもしれない。
ただ、正直ナショナルチームを本格的に強化するのであればしのごの言っていられない。
もしナショナルチームへ入ることより大学生として学業を優先したいという選手は参加を辞退すればいい。
そうすればナショナルチームへの選出を優先したい選手が残る。
どうしても大学生と両立が困難ということであればリーグワンへプロとして入団というイノベーションを起こせば良い。
各大学の弱体化
次に今回の合宿があることによって各大学のキーマンがチームの活動へ合流するのが遅れ、チームビルディングが滞るのではないかという点。
これに関しては確かにそうかもしれない。
ただ、 JAPANの強化を優先するとこの問題は致し方ないだろう。
というのも今回のプロジェクトは各大学の強化ではなく、代表の強化が目的だから。
各大学の優勝を見たいというサポーターの皆様の意見はごもっともだろう。
また各大学の首脳陣からしてもその懸念点は少なからずあるかもしれない。
どうしてもキーマンをチーム外へ出したくないということであれば合宿への参加を拒否すればいい。
今回のメンバー招集において各大学、高校と連携の上、とあるので所属大学側の意見が通ると考えられる。
と、今挙げたように今回オーモリが考えた懸念点に対してはいくらでも対策できる。
ですので、先の結論のように
今回のプロジェクトはJAPANの強化という点において、これ以上ない試み。
オーモリ的に非常に楽しみ。
何より、今季あれだけ国内で活躍した選手達がインターナショナルレベルでは今どのレベルなのか、と言うことが気にならないことがあるだろうか、いや、ない。
早すぎるスタメン予想
では最後に今回のメンバーでオーモリ的にはこの15人がみたいなと言う紹介だけさせていただく。
2つ断りを入れておくとまず、今回の予想は100%オーモリの独断と偏見によるものであり、今回オーモリが選んだ15人が最も優れた15人であると言うわけではない。
また、可処分時間の関係で今回の候補選手全員のゲームタイムを見ることは現状できていない。
この選手、良いですよ!っていうのは本当にどんどんコメントしていただければと思う。
以上の2点をご了承いただいた上でご覧いただければ幸い。
なぜだか、こーゆーメンバー予想をしている時が一番楽しくて好きなのだ。
改めて今回オーモリが見てみたい15人が下記↓




LPはオーモリ的選手権ベスト15にも選出させていただいた檜山選手。
HOはそんな檜山選手と同じ明治の西野選手。
TPは優勝した帝京の柱だった森山選手。
両LOは働き者の石橋選手と一旦身長重視で能勢選手。
もしくは公立高校の星、栗田選手とこちらも190cm越えの物部選手。
BLは 今季登場はないも JAPANスコッド経験者の利川選手、東洋大をリーグ戦2位へ導いたFWの中心選手森山選手、天理のFWのキーマン太安選手をそれぞれ選出させていただいた。
もしくは関西学院で大車輪の活躍だった小林選手も捨てがたい。
SHは土永選手にスターターは譲ったが世代を代表するSHの一人である高木選手。
もしくは同じ京産大のこちらも JAPANスコッド経験者の村田選手。
FHには今季の活躍ですっかりその虜となってしまった服部選手。
ICTBには同じくすっかり虜となってしまった伊藤選手。
もしくは帝京BKのキーマン本橋選手も捨てがたい。
正直ここの2ポジションが非常に難しかった。
23人で考えた場合、現状私だったら今挙げた3人で一旦チーム編成するかなと言うところ。
OCTBはスケールが魅力でオーモリ的選手権ベスト4にも選出させていただいた福島選手。
世界のサイズ相手にどこまでそのプレーが通用するか見てみたい。
両WTBは明治の2人、海老澤選手と今季大活躍だった白井選手。
そして最後にFBは 現状日本でNo. 1バックスリー矢崎選手。
ただここは明治の竹之下選手も捨てがたい。
今季の選手権で起用されいきなり大活躍を見せ、準決勝でそのポジションを獲得。
2018年の山﨑選手と同じような形だった。
最後に
以上が現状オーモリがU23に対しての感想。
今後このプロジェクトが長期的に継続し、そのうちU20にもそれ相応のテコ入れが入ってくれれば御の字。
最後に繰り返しになるが、今回の感想はあくまで素人のオーモリ一人で考えて出した結論。
至らない点も多数あるかと思うので是非、私よりも広い視野を持ったラグビー愛に溢れた皆様のご意見もお聞かせいただければ幸い。
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