今季のリーグワンはオーモリが注目していた選手達の出場機会及び、活躍が例年に比べると目覚ましい。
現埼玉所属のリーグワン4年目、現在27歳、山沢京平選手もその中の1人。
山沢選手のすごいと思うところ、そんな山沢選手はJAPAN入りできるのか、について、今回オーモリ視点でお伝えしていきたい。
先に結論を申し上げると山沢選手のすごいところは下記2つ。
- アタック全部
- プレースキック
そんな山沢選手はJAPANへ選ぶべき。
となる。

オーモリです。YouTube・X(旧Twitter)もやってます。
経歴
改めて現在、リーグワン4年目、現在27歳の山沢選手。
埼玉県熊谷市出身、三人兄弟の末っ子、現在の公式のサイズは、176cm85kgとなっている。
身長はオーモリより2cm低いと覚えて。
ご存知の通り、お兄様は現埼玉でチームメイトの拓也選手。
拓也選手について語った動画は下記。
中学校まで


そんなお兄様、拓也選手の影響で熊谷市立熊谷東中学校1年生からサッカーと並行してラグビーをはじめ、楕円球と出会う。
クラブチームでは江南南サッカー少年団に所属し、現在浦和レッズ所属のMF、松本泰志とチームメイトとして日々、サッカーに打ち込んでいた。
中学校では学校の規定で部活に籍を置かなければならず、当時地元クラブチームに所属していた山沢選手はお金がかからないからという理由でラグビー部に一応在籍。
山沢選手とラグビーの出会いは決してポジティブ全開という動機ではなかった。
中学入学の翌年、ラグビー部の顧問が変わり、周りの部員達の熱量を間近で感じていた山沢選手はそこからラグビーにのめり込み始める。
中学最終学年では県で2位となり、東日本中学生の大会へ出場。
この時に山沢選手はサッカーではなく、ラグビーを高校では続けていこうと決意したそう。
深谷高校時代
高校はお兄様と同じ地元の深谷高校へ進学。
1年生からチームのレギュラーFBとして毎年公式戦へ出場。
花園には山沢選手が所属した3年間は毎年出場。
1年生は2回戦で大阪桐蔭、2年生は天理、最終学年3年生は東海大仰星にそれぞれ敗れた。
ちなみに春の選抜にも2〜3年生時には出場しており、それぞれ東海大仰星、京都工学院に敗戦。
つまり全国大会ではいずれも近畿勢に敗れて大会を去っている。
その中でも3年生での結果的に引退試合となった花園3回戦の東海大仰星戦、後半1分、試合のスコアは0-31と大差がついた場面。
自陣10m付近でボールを受けた山沢選手のそこからの約60m独走トライは花園ベストトライの1つなのではないだろうか。
高校時代は出場した公式戦では全試合で15番出場。
世代を代表するFBとして高校JAPANに選出された。
明治大学時代
高校卒業後は関東対抗戦の明治大学へ進学。
ちなみにこの年の明治には同世代の花園で優勝した東福岡のFW・BKそれぞれのエースと言っても差し支えない、箸本、森選手をはじめ、錚々たる顔ぶれが同期として入学した。
大学時代の山沢選手は1年生から春季大会、対抗戦で紫紺デビュー。


秋以降の公式戦に絞って見ると、1年生は6試合で471分出場、2年生は9試合で700分出場、この年、福田主将の元選手権優勝にも大きく貢献した。
3年生は8試合で586分出場。
この年からそれまでのFBからFHへとコンバート。
コンバートされた当時は、自身としては手応えを掴み切りきれない部分もあっただろうか。
試合ごとに反省ばかりが山沢選手の口からは発せられていた。
そんな山沢選手に対し、彼をFHへ移す判断を下した明治監督の田中澄憲さんは基本は80点でいいというマインドでプレーするようアドバイスを送ったそう。
そのおかげもあってか、FHとしても見事なパフォーマンスをその後も発揮し続けた。
山沢選手が出場していた3年間で明治はいずれも選手権決勝まで勝ち進んだ。
この3年生の選手権決勝がオーモリ的には非常に印象に残っている。
前半、31-0と早稲田にリードされた後半、明治は後半だけで5トライを獲得。
内、山沢選手も1トライを獲得。
その上で、サイドライン際5mからのコンバージョンキックをことごとく成功。
あの5本のキックはなかなかなインパクトだった。
ここまで入学してから1年生のシーズン後半からずっと試合に出場し続けてきた山沢選手。
高校、大学時代で出場したすべての試合で先発出場しており、銀河系軍団の明治の中でも際立った存在感であることがこのことからも伺える。
大学最終年、チームの副将に就任。
昨年度の決勝戦での抜群のパフォーマンスからも今シーズンの大学ラグビーは山沢選手の年になる、と思われていたがこの年、怪我に苦しむ。
厳密にいうと、3年生時の決勝戦ですでに右肩を痛めており、4年生の春シーズンは欠場、秋の公式戦直前での復帰を目指していた。
そして対抗戦の開幕を4日後に控えたその日、右膝の前十字靭帯を断裂。
復帰までは1年を要する大怪我。
10月に患部2ヶ所を手術、シーズン中の復帰は絶望となった。
それでも本人はグランド外で自分にできることをやりきると切り替え、エース不在のチームに貢献した。
結果この年の明治は選手権ベスト4の成績を収めた。
リーグワン埼玉WK


大学卒業後はお兄様の拓也様と同じ埼玉へ入団。
リーグワン初年度の2021年はなし。
翌2022年の10節BR東京戦15番でリーグワンデビュー。
と同時に、大学3年生の選手権決勝から799日ぶりの実戦復帰となった。
山沢選手はその試合、初ボールタッチでビッグゲイン。
この時、ようやく山沢京平選手がフィールドに戻ってきた。
その後、リーグワン2年目となったその年はデビュー戦を含めて4試合、内2試合スターターで168分出場、3年目で一気に出場機会を得て、11試合、内スターター6試合で573分出場した。
とは言え、この年まではそれまで自身が経験してきたFH、FBにはチームメイトでJAPANの10番松田選手、同じくJAPANキャップ保持者FBの野口選手らが在籍しており、なかなかタフなポジション争いとなる中でスターターへ定着、とまでは言い切れない状況だった。
そして今季、先に挙げたチームの10番をずっと背負ってきた松田選手がトヨタへ移籍。
誰が次の埼玉の正10番なのかと思われていた中で山沢選手はチャンスを掴む。
今季はここまで全8試合10番として先発し、565分出場。
内、5試合でフル出場となっている。
7節のBL東京戦、試合時間34分でやや負傷気味で退場した際は最悪の事態も予想されたが前8節のフル出場を見る限り、大事には至っていないと祈りたい。
また、今季ここまでの1トライを含む103得点は現状、リーグ2位となっている。
すごいところ2選!
ここまで山沢選手の現在に至るまでの経歴を振り返ってきたが、じゃあ、オーモリが思う、山沢選手のすごいところはどこなのか。
それが先にも挙げた通り下記の2点。
- アタック全部
- キック
アタック全部
まずアタック全部について。
特に目立って良いのが、
スピード・ボディバランス・ロングパス
この3点。
まず山沢選手は根本的に足が速い。
次にボディバランスに長けており、先のスピードとの掛け算によってLB能力が高い。
大学3年生選手権決勝で奪ったトライ、リーグワンデビューのLBはまさにこの2つの特徴が出た場面だっただろう。
最後に人より長いパスを放れるため、チームのアタックにおいて厚みを持たせることができる。
キック
次にキック。
これはフィールド、プレースキックのいづれも指す。
まずフィールドキックにおいて山沢選手は人よりも長いテリトリーキックを持つ。
約70m級の飛距離とオーモリは見ている。
次にプレースキック。
先に挙げた大学3年生の選手権決勝で決めた5つのキック、高校時代、東海大仰星戦で自らのトライ後のキック等、山沢選手は難しい位置のプレースキックをことごとく決め切る。
今季はここまでコンバージョン25/33、PG16/16と合計41/49で83.7%のキック成功率となっており、80%を超えれば優秀、85%を超えると超優秀と言われる中でしっかりと結果を出していると言えるのではないだろうか。
これらがオーモリが思う山沢選手のすごいところ。
なぜJAPANへ選ばれるべき?
ではなぜ、先に申し上げた通り、山沢選手はJAPANへ選ばれるべきなのか。
それは、今、最も活躍しているJAPAN資格保持者のFHが山沢選手だと思うから。
大前提オーモリ的にはインターナショナルのFHについてはクラブでもFHを務める選手がやるべきと考えている。
なぜなら現状ティア1の国々がそうだから。
それを踏まえて、現在リーグワンでFHを主戦場とする選手を挙げるとすると下記の6選手になるだろうか。
下記の表を参考にすると現状アタックにおけるパフォーマンス面で最もトップの項目が多いのが山沢選手、次いで高本選手。


山沢選手のJAPAN加入は、昨年、アタックがうまく機能しなかったJAPANで良い意味でテコ入れ繋がるのではないだろうか。
その上でこれは山沢選手1人の力ではないことは大前提だが、何よりもチームを現状リーグで1位に導いている点。
いわゆる司令塔と言われるポジションにおいて最も重要な要素がチームを勝たせられること。
フランスのデュポン選手がその筆頭だろうか。
だからオーモリは山沢選手が今最もJAPANの10番に相応しく、JAPANに選ばれるべきと考えている。
将来を熱望された中で大学時代に大怪我を負った山沢選手。
現在、その怪我を乗り越え、JAPANラグビーの最高峰、埼玉WKの司令塔としてチームの無敗を守っている。
最近のゲームでもやや怪我の怖さが垣間見えるシーンがある中で、ついにレギュラーの座を掴んだ今シーズン、健康を維持し、大学4年生で叶わなかった日本一を達成することができるだろうか。
そしてその後の、JAPAN招集はあるのだろうか。
注目。
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